ここ数年で民法の改正が相次いでいますが、「論点解説 | qeiplus.jp 侍業」でもちょっとずつ取り上げていきたいと思います。今日お伝えするのは法務局での遺言書保管に関する制度。今回も大好きなGIFを用意したので、iphone・ipad系mobile deviceは画像タッチを、PCはhoverして閲覧して下さい。
- 遺言は実はいっぱいある -
そもそも遺言って何でしょう。資産家の方が亡くなる間際に何とか遺言するイメージがなぜかありますが、遺言とは、「人が自己の死亡後の法律関係を定めるために行う要式の単独行為として、人の最終意思を尊重する制度」って言うと正確かもしれません(ちょっと固いです)。自分が亡くなっても所有していた物やお金まで消えるわけでは無いですよね。そこに民法は法定相続というデフォルトルールを設けていますが、「いや、こうして欲しいんだ」って言っても構わないのです(まさに人の最終意思を尊重する制度。でも無制限じゃないし、課税は別問題)。決して亡くなる直前じゃなくても良いし(若いうちにしたってOK)、資産が潤沢でなくても全然問題ありません(私はminimalistですが)。
色々な遺言
要式や状況によって民法は遺言を数種類設けていますが、そのほとんどは自筆証書遺言と公正証書遺言で、他の遺言はあまり使用されていないと思われます。なのでこの2つをGIF解説したいと思います。
- 自筆証書と公正証書の比較 -
自筆証書遺言
自筆証書遺言は最も簡単に作成できる遺言です。費用もかからないし、一人で作れます。その反面、紛失・改ざん・隠ぺいの可能性が出てきます。家庭裁判所での検認手続きも発生します。
公正証書遺言
公正証書遺言は安心な遺言です。公証人が書いてくれるので正確な遺言書が出来上がります。また、原本は公証人が保管してくれるので、紛失の恐れもありません(公証役場が火事になれば別ですが)。デメリットとしては、費用が発生し、証人の用意が必要なところです。
- 法務局が自筆証書遺言を保管 -
新しく出来た遺言書保管制度は、自筆証書遺言を法務局が保管してくれる制度です。そのおかげで紛失の可能性が無くなりました。検認手続きも無くなり一層自筆証書遺言が利用しやすくなると思われます。ただし、法務局は保管するだけです。中身は見ないので遺言書の有効性を担保するわけではありません。また、遺言者には法務局出頭義務があり、費用も発生するので一つの選択肢と考えるのが良いかもしれません。
- 紙の管理は大変 -
遺言書保管制度は、自筆証書遺言と公正証書遺言の中間色のような感じですね。きっと利用者も増えるんじゃないかなと思います。個人的にはもう、遺言書自体をデータにしても良いように思いますが・・(紙って溜まるとカウンターパンチのように後々効いてきます)。2020年7月10日スタートします。まだちょっと先ですが、遺言をご検討されている方は、保管制度も十分に考慮する価値ありだと思います。
text&illustration : takahasi kei