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(GIF解説)境内地の所有権移転登記を検討する

2019.11.30.SAT


所有権移転登記には様々なパターンが存在しますが、物権変動という大きなリスクと対峙した時に専門家に求められるのは、「慎重かつ丁寧な態度」であると言えます。そう、ミスは絶対に許されません。今回の(GIF解説)では、宗教法人が所有している土地を所有権移転登記する際のことを取り上げてみたいと思います(丹念に丹念を重ねて・・所有権移転登記していきますよ)(あくまで経験や調査等による私見です。保証ではありません)。

GIFは後半部分に用意してあります。iphone・ipad系mobile deviceは画像タッチを、PCはhover(マウスを画像に乗せる)して閲覧して下さい。・・動きます!


- 境内地をどう判断するか -


1つ前のコラムでも触れましたが、境内地とは(簡単に言うと)宗教法人が自らを維持し運営し目的を達成する為に、必要な土地のことであります。(詳しくは、電子政府の総合窓口(e-Gov) / 宗教法人法第3条をご参照ください)。では、なぜ境内地の物権変動を取り上げたかと言うと、同法第24条には「同法第23条に違反すると無効です」と書いてあるからです。このことは判例にも取り上げられております(最判昭43・1 1・19判時544・41を参考ください。調べ方としては、裁判所のwebサイトに「裁判例情報」というページがありますので、そこで検索をかけると出てきます)。信者やその他利害関係人に事実を周知させ、違反行為は法律上無効とすることで宗教法人の財産を強固に保全する、と言ったところでしょう。

それでは宗教法人が所有する土地は全て境内地である、と断定できるのでしょうか。私のような素人目には非常に難しいことなのかもしれません。まずは登記簿上と固定資産評価証明書上での扱い(地目がどうなっているか)は確認したいところです。そして当事者である住職や神主の方にもヒアリングした方がさらに良いでしょう。普段からお寺や神社を管理されている方のご意見は実態を反映していますので、すごく重要なのではないでしょうか。最後にまとめてどう決断するかは専門家としての線引きにかかると思います。仮に法律に反すると断定されたとしてもそれは裁判所の判断、すなわち訴訟の段階に移行した時であり、10年後、50年後なのかさえも明確なことではありません。様々なリスクを考えた上で、各専門家が決めたことであるのならば尊重すべきであると、個人的には感じるところです。

境内地の判断

境内地の判断

- 移転登記の確認点 -


宗教法人法第23条は大切なので、本文だけは載せたいと思います。「宗教法人(宗教団体を包括する宗教法人を除く。)は、左に掲げる行為をしようとするときは、規則で定めるところ(規則に別段の定がないときは、第十九条の規定)による外、その行為の少くとも一月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示してその旨を公告しなければならない」。ここからを(GIF解説)にしています。

境内地の確認点

まずは神社仏閣(宗教法人)の法人登記簿謄本を取得し、広告方法と境内地の処分に関する定めを確認します。そして神社仏閣の規則も確認して、同じく広告方法と処分に関する方法をチェックしておきたいと思います。

次に規則や登記簿謄本に従った処分方法がなされているか(責任役員の議事録など)、確認しておきたいと思います。そしてそのことの広告がされているかの確認もしておきたいと思います。

ちなみに、第23条には「包括する宗教法人」とありますが、宗派や総代と言った束ねる側の法人と束ねられる側の法人の関係が存在するようです(適切な表現なのか大変微妙な感じです・・・)。詳しくは文化庁のwebサイトにこの辺りの事がイラスト付きで載っているので興味のある方はみて見て下さい。宗派の代表者の承認などが必要となると手続きとしては結構大変かもしれません。

最後になりましたが、所有権の移転登記に、規則に従った処分方法に関する書面や広告方法に関する書面が添付必要かどうかは、不要とする先例が出ているようです(昭39・8・7民甲2732号参照)。あくまで実体上の効力の事であり、手続き上には影響を与えないのかもしれません。しかしながら、各法務局の対応による可能性もあるので1度は相談した方が無難だと言えるでしょう。

text&illustration : takahasi kei


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