Webを作ったのはqei+.jpが初めてで、保守や運用も当然に目新しい事ばかり(ひたすら勉強の連続です)。「きっと最初で最後だろうなあ」といつも思いつつ、生涯を共に歩いていけるように日々手を加えておりますが、コーディングやプログラミングなど、どうしても技術的な事柄に目がいきがちになってしまいます。「技術を学ぶと同時にブランド作りでもある」webmasterとしては悩ましい、(フリーランスとして)大きな課題を抱えながら(1人なので当然兼務)、そんな折にFont Awesomeというwebサービスがちょっとした素敵なヒントをqei+.jpに与えてくれました。
- Font Awesomeって何? -
webを作るには最低限習得しないといけない言語があります。HTML / CSS / JavaScript / PHPなど、このあたりはマスターしないといけませんね(物によってレベルはマチマチですが)。言語である以上、単語の意味を覚える、単語の綴りを正確に書く、使う場面が正しいか間違いかの判断をする、作りたいものによって使う言語の違いを知る、それぞれのルール・使い方を学ぶ、といった作業(かなり膨大)が必要になります。1番苦労したのはPHP。PHPはサイト訪問者に対する受付役(ホテルのフロント係のような感じ)を担うのですが、フロントの場合、その背後には必ずバックスペースがあって、訪問者の荷物や郵便物を保管したりしますよね。PHPにはそのバックスペースとフロントマンの構築が出来る言語であり、これを設計するのは大変に骨の折れる作業になります。ちょうど相続登記の、相続人調査業務と並行しながらPHPの作業していたので、180度も概念が異なる事同士に頭がパンクしそう・・。
webを作りはどうしても自身が「設計者」になる必要があります。それはそれで楽しい事なのですが、24時間設計者は出来ません。この「退き際」の判断が本当に難しい・・。設計者だけでは、見た目や外観といったグラフィックデザインの部分は作れない。(多少大げさですが)設計とデザイン全てをカバーしなければ、理想とするwebは完成しないのです。
そんなジレンマを抱えていた時に知ったのが(Font Awesome)というwebアイコンフォントを扱うサイト。通常アイコンはIllustratorなどで作成して画像の用意をすることになるのですが、Font Awesomeは言語で表現されます。言語である以上、そのルールと使い方を学んでしまえば(画像に比べて)自由自在な設計が可能になるのです。
1番驚いたのは、見た目の美しさを言語に落とし込むという視点。それは設計とデザインを両方同時に兼ね備えた(ある意味最強)のwebサービスを実現していると言えるでしょう。
- 言葉は圧倒的に強い。だが・・ -
ではwebを離れて、私たちの日常生活での表現方法はというと・・・、圧倒的に言葉の寡占状態にあるのではないでしょうか。会話しかり、電話しかり、会議しかり、打ち合わせしかり・・。言葉というものはダイレクトでありとてもシンプルな表現法です。しかし余りにも強くてストレートなため、聞き手側に考える時間を与えず、情報の取捨選択が非常に難しい側面があります。
そう、そこには「余白」が存在しない。
まるで将棋盤に金将と銀将が隙間なく敷き詰められた感覚。全方位的に動作できる金将と銀将は、まさに将棋の王道的存在。自身である王将に鉄壁な守りを構築し、攻めれば確実に相手の喉元まで迫る迫力。
金将と銀将
しかし、将棋には歩兵もあれば桂馬も香車もある。歩兵が最前線で犠牲を払い、桂馬と香車がその独特な動きで展開を大きく変える。たとえ主役にはなれないとしても・・・。将棋を将棋足らしめる要素は、多くの駒がそれぞれの役割の中で存在していることにあるのかもしれません。
- 中途半端が兼ね備える豊かさ -
言葉・絵・写真・色・文章・コピー・レイアウト・・・様々な表現法を組み合わせると、そこには聞き手に自ら考え、多種多様の解釈ができる余白が生まれるのではないでしょうか。Font Awesomeのような完璧なクオリティがでなくても、その解釈は聞き手側に存在する。中途半端だからこそお互いに表現の豊かさを享受できるのかもしれない。
そして、司法書士がwebの設計者になりデザイナーになるような時代です。それぞれの専門家が長年積み重ねてきた歴史はインターネットによりオープンソースとなり、自由に行き来する、そんな敷居の低い時代がすでに訪れています。どんなに専門家であっても、ますます発展する技術の前では中途半端な存在でしかないのであれば、いっそその豊かさを未来の財産へと転換していくことが大切なのかもしれません。
text&illustration : takahasi kei