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(GIF解説)実家の売却にみる民事信託

2019.4.10.WED


近年高い注目度を集めている民事信託。新たな相続対策として、特に士業の方がメインとなってセミナーを全国各地で開催されているようですね。そんな熱を帯びた民事信託を、実家の売却の場面を通して一緒に考えてみましょう。大好きなGIFを用意したので、iphone・ipad系mobile deviceは画像タッチを、PCはhoverして閲覧して下さい。


- 時代の変化と認知症への事前対策 -


そもそも何故民事信託(あまり聞き慣れない用語)を考える必要があるのでしょうか。令和・平成時代にあって昭和以前の時代には無かった現象があるからこそ、注目を浴びつつあると言えるのかもしれません。

1.核家族化(戸数が増えます)

2.平均寿命が伸びて長寿時代に(昔と比べても若い感じが・・)

3.都市部への人口集中(私もです)

ざっと挙げますとこんなところでしょうか。1.は単純に日本全国で家の数が増えていき、2.は長生きで(良いことだとは思うのですが)認知症の可能性が高くなり、3.は過疎地域の空き家が上昇する原因と考えられます。全て当てはまるでは無いにしても、古くなった実家に高齢者が単身で住む原因が増えつつある今の時代、と言えるのかもしれません。「長生きは嬉しいけど、う〜ん認知症になったらどうしよう」、その対策の1つとして民事信託を検討される方が増えているようです。


- 「売却不可」を回避する -


ではどうやって民事信託を設計するか見てみましょう。この辺は各家庭の事情や専門家の見解等によって分かれてきますので、あくまで一例になります。

民事信託

民事信託

A(高齢者の親・実家一人暮らし)、X(子ども・別のところに家を所有)とした場合、A名義の実家をそのままにしてAが認知症になると、意思能力喪失で売却不可、相続発生まで事実上の塩漬けとなります。そうならない為に、Xに売却の権限を与え(ここがポイント)、Aには(売れるまで)従来通り実家に住み続けることができる仕組みです。

民事信託は外形上の名義をXにするだけで、実家に対する実体上の権利は依然としてAのままになります。その為税制の面でもAを基準と考えることで、他の方法と比べても有利な可能性が高いと言われています。

このように安心して売却出来る点では、大変優れた仕組みであるのは間違いなさそうですね。


- 近道なんか、なかった -


「じゃあ、うちの実家と母ちゃんは民事信託に全部お任せだな。これで一件落着、明日から仕事頑張るぞ!」なんてことにはいかない?でしょう。古くなった実家、本当に売れるのでしょうか。居住としても投資としても魅力が見当たらないが為に、今空き家が全国各地で発生しているのであり、地方であればなおさら買い手を見つけるのは困難ではないでしょうか。「売却で得た資金は親の介護費用に」と当初計画立てても、各種手数料と税金を支払えば手元にいくらも残らないなんて、現実味のある話な気がします。

また、遠く離れた実家をどうやって管理するのか、この点も未解決のままです。売却する権限があっても、住んでもないのに窓ガラスや玄関の掃除を頼むことは到底無茶なことなのです。

このように民事信託で実現できるのは法律上売却する権限の担保という点に特色が出ています。売却による収益の確保、実際の物件の管理といった事などはまた違う手段を考えなければいけなさそうですね。


- 総合的なサポートの必要性 -


GIFではリフォーム&古民家カフェとして実家再生を考えてみました。家だけでなく更地もある場合(農地は難しいかもです)には、合わせて信託をし周辺一体型として活用する道もありそうです。こんな感じで目標に応じてやるべき事が変わってくるので、士業だけでなく、自治体・近隣住民の方・リフォーム関係者・販売業者など多くの方と連携しながら、じっくりと時間をかけて解決に向かうと良いのかもしれません。

総合的なサポートの必要性

text&illustration : takahasi kei


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