登記を申請するとなったとき、
すぐに「じゃあ、はじめ!」→「はい。完了しました」となるでしょうか?
残念ながら、なかなかそうはいかないでしょう。
「はじめ」→「完了」までのプロセスには、いくつか超えなければならない壁が存在します。
大別すると以下の3つに集約され、そしてこの3つの要素がいつも相関的に関連していきます。
1.どうやるのか
2.何が必要なのか
3.いくらするのか
- 登記は先を読み、気付く力が必要 -
3つの要素は、かなりの割合で、最初から最後まで変化をし続けていきます。登記というものが何だか小難しく、得体の知れないものに映るのは、こういった様変わりしていく姿が影響しているのかもしれません。
専門家である司法書士は最初からそのことに気付いている為、「はじめ」の段階で依頼された方に1.2.3.を100%断言する方はいないでしょう。現時点から起こり得ることをなるべく読んで、気付いていき、手当てをすることが求められてきます。
その結果、もうすぐ完了となった全体が見えてきた頃に、思わぬ費用と必要な物を取得する労力が発生しがちになります。実態が見えづらいものに、急に大きな費用を請求されたら、「なんで?」って誰でもなりますよね。
- サイクルを少し変える取組み -
「司法書士が法外な金額を要求する」なんて聞くと、やっぱり現場を知っている者としては、悲しい気持ちになるんですね。なのでqeiplus.jpでは可視化をテーマに、サイクルを少しだけ変えるため、先に掲載してみました。
これらは慎重に期するよりも、まずは専門家からどんどん言えば、見えづらい実態も解消されるかも、と思うんです。ただし、このような場合という条件付きです。そこからご自身の状況が少しでも見えてくれば、登記の印象が変わるような気がします。
- 費用のこと必要書類のこと -
ざっくり言いますと、登記の費用は税金(登録免許税や印紙税等)・実費(必ず発生する費用)・報酬(司法書士へ)の3本柱です。税金の算出には登記記録と評価証明書を使っていきます。では、土地売買を想定して計算してみましょう。
登 記 記 録
登記記録の地目と地積の記載された欄をご覧ください。地目は土地の用途にあわせた分類のこと、地積はその土地の広さを表しています。ここを確認したら、次は評価証明書を見てみます。
評 価 証 明 書
評価証明書は一番新しいものを用意します。これにも地目と地積の記載欄がありますね。ここが先ほどの登記記録と同じであれば、あとは計算すれば出てきます(※違う場合もよくあります。その時は・・・話が長くなるのでまたの機会に)。最後に価格を確認してください。
地目:宅地、地積:50㎡で一致し、価格1000万円だとすると、1000分の15を乗じた価格:15万円が税金(登録免許税)になります(通常税率は1000分の20です。平成31年3月1日現在で、租税特別措置法第72条により、売買においては軽減税率が適用されています)。
算出された税金に実費と報酬を合わせると、大体の費用が出てきます。実費は、書留郵便にかかる郵送費用や交通費、書類の取得費用など、事前に準備していく上で必ず発生する費用と考えてください(これはご自身でした場合も同様です)。実費も案件ごとに変動してきますので注意が必要です。例えば、急遽東京から北海道へ出張する必要が出た場合などは、実費が一気に上がってきます。少し極端な例ですが、〜1万円くらいは事前に想定しておくと安心かなと思いますね。
評価額は、下がれば費用も下がりますし、上がれば比例して上がります。商業に関しては固定ですので、詳しくは(国税庁のwebサイト)をご覧ください。
必要な書類は、「大体こういったものが要るんだ、どこかで用意しないとなあ」ぐらいで眺めてもらうのが1番良いです。たとえ住民票1通用意といっても、本籍の記載の可否、個人番号記載の可否、世帯全員or依頼者一人の記載、前住所の記載事項の検討など、全てを列挙しだすとキリがなくなりますので、おおよその流れを把握するための参考にしてください。
- 自分の「心地良い」感覚が最重要 -
お金も時間もかかり、手続きそのものは難解かつ複雑。でもそれを乗り越えると、誰に対しても大きな声で「自分の権利だ!」と言えるのが登記というものです。その登記をどうやって実現するかは、自分が心地良いと思える感覚を1番大事にしてください。
・近所の司法書士 → 近いね → 心地良い
・同性や同年代の司法書士 → 話合いそう! →心地良い
・webの司法書士 → インターネット大好き! → 心地良い
・自分でする → その方が合ってるな → 心地良い
何にお金を使い、誰とどれくらいの時間を過ごすのかは人生の選択肢そのもの。時代の変化に対応できる好奇心や意欲、健康、社外の人脈など、「目に見えないもの」がますます重要なっていく昨今に、「どう人生を楽しんでやろうか」という野心めいたものへ基準を置くと、きっと登記も素敵な体験になると思います。
text&illustration : takahasi kei