「永きに渡って築き上げた財産をどうやって未来へ、大切な人へ、繋いでいけばよいのだろうか」というテーマに、今、大変関心を持っています。財産なんて言うと、「そんなものは・・・」とほとんどの方がそうつぶやきます・・が、人脈・知見・データ・信用や信頼・著作物・ブランド・暖簾・職人技術・伝統や文化・・・これら1つ1つは人生の歩みとともに少しずつ積み重なり、そして誰しもが(自信がある無し関係なく)持っている要素ではないでしょうか(そう、昔も今もきっと変わらないテーマ)。ただ1つ「情報」の往来にはもはや壁が存在しない事実、ここが「今」の時代であり、未来への繋ぎ方に大きな可能性を秘めている要因でもあります。お金・株式・国債・不動産だけではない、新しい繋ぎ方を考えてみたいと思います。
- エンディングノートと遺言の違い -
真っ先に浮かぶもので1番身近かつ取り組みやすいのは、エンディングノートではないかと思います(私も1つ持っています)。書店やインターネットでも簡単に手に入りますのでぜひ購入してみて下さい(値段も多くが〜1500円くらいでそんなにはしません)。
エンディングノートの1番の特徴は、記載する項目がたくさんあることです。「たくさんだと書くのが面倒」ー 確かに面倒ですよね。でもそのおかげで受け継ぐ方にとっては、持ち主の気持ちが詳しく分かるので、1つ1つ迷うことがないでしょう。エンディングノートごとで記載する項目に微妙な違いがありますので(大体は似ていますが)、手にとってみるのが良いかもしれません。
一方で遺言書と聞くとちょっとためらいますよね。遺言はグッとハードルが上がりますし、自分自身の死をスタートとしてはじまるものですので、自ら強く意識しないと取り組むには難しいかもしれません。その代わり有効な遺言書の効力はとても強く、遺言書に反するようなことは出来なくなります(ただし絶対ではない)。
また身の回りに関することなら何でも書けるエンディングノートと違って、遺言として有効な事柄は法律により決められています。具体的には、
・身分に関すること(認知など)(民法第781条2項)
・相続に関すること(遺産分割の方法指定など)(民法第908条)
・財産の処分に関すること(遺贈など)(民法第964条)
・祭祀に関することなど(民法第897条)
などが挙げられます。何でも気軽に書き留めておくエンディングノートと、ルールに従い慎重に進める遺言は、お互いを補完し合う関係であると言えるかもしれません。
エンディングノートと遺言
- 動画を使おう -
エンディングノートと遺言は以上のような役割を担いますが、どちらも文章で表現する方法ということで共通をしています。文章表現の最大のメリットは正確・緻密であること。文章にすることで間違いの少ない伝え方が可能になりますが、どうしても理屈っぽくなってしまいますよね。この感情表現の不足状態が相続人間での揉め事に起因しているケースは実に多いと言えるでしょう。そこで、少し感情を付け加える為にぜひ動画を撮っていただきたいと思っています。映像表現の最大のメリットは、この感情を豊かに表すことが簡単に出来る点にあります(イラストだと手間と暇がかかるし、写真だと肉声が入らないので少し弱い)。
動画においては細部への言及はいりません。具体的な事はエンディングノートと遺言に任せて、「今あるものを未来へどう繋いで欲しいか」をテーマに自分の想いを目一杯記録してみましょう。そう、動画は決して主役である必要はないのです。
動画でさらに完成度UP
- 内省の時間を持つ -
地震・豪雨・津波などの災害が起きてよくよく調べてみると、昔からこの地域ではその兆候があり目印を残していた、という話を聞くと「財産だけが相続ではないんだ」とつくづく考えさせられてしまいます。SNSを使って今の時代らしく残すのも有効なのか・・・。だから、「このプロジェクト、いずれ誰かにバトンタッチしたいなあ」なんてことが見つかると素敵だなあと思いますし、「それ、私がやります」ってなるともっともっと良いなと思っています。
ー 駆け抜ける日々の中でも立ち止まって今の自分を見つめ直す ー そんな機会が少しでもあればきっと良い方向に・・・
text&illustration : takahasi kei