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地役権設定登記の概要と必要書類について

2019.8.30.FRI


登記することができる権利は予め法律により定められていまして、著名なところでいうと「所有権」や「抵当権」などの権利がそれに該当します。一方で、「??」と一瞬考えてしまうような権利も中には存在し、「地役権」もその1つかもしれません(不動産登記法第3条4号。こちらで条文クリック)。あまりお見かけすることは無いかもしれませんが、地味ながらもその独特な権利が時に大きな力を発揮しますので、簡単ですが綴って見たいと思います。


- 地役権とは何か -


地役権とは、他人の土地を自分の土地の便益に供する権利のことを意味します(民法第280条。こちらで条文クリック)。便益とは利益(ベネフィットとでも言いましょうか)、つまり地役権は自分の土地に何かしらのプラスの価値をもたらしてくれるもの。この時の自分の土地を要役地と呼びます(反対に便益を提供する土地を承役地と呼びます)。

「じゃあプラスの価値って何だ?」ってなりますね。それは地役権設定契約を結ぶ当事者間で決定される事柄。そのことを法律上では「地役権の目的」と言い、地役権の最重要事項になります。なぜ最重要事項かと言いますと、地役権の目的が定められない限り登記をすることはできないからです。登記手続きにおいては必要的記載事項(記載が無いと登記できない事柄)として扱われ、登記簿にも必ず記載されるので誰でもどんな地役権が設定されているのか確認することが出来るのです。

当事者の意思に基づきプラスの価値が決まると言っても、何でもいい訳ではありません(あくまで土地の便益の範囲での話)。具体的には、

・通行(承役地を通行出来る)

・眺望(眺め確保の為、承役地に高い建物禁止)

・日照(陽当たり確保の為、承役地に高い建物禁止)

・送電線(承役地に送電線を設定する)

などが「地役権の目的」としてよく見かける事例です。通行などは多いと思います。承役地を歩かせてもらうなどもあれば、隣のお家同士で車を車庫入れする際に地形上どうしてもお隣の土地に車が侵入してしまう場合、その部分に対してお互いが通行出来るようにする、という事例もあります。眺望や日照などはリゾート地、観光地など土地柄によってどうしても地役権が経済的効果を生むために必要な権利とされている場合があるようです。

土地の便益に供するために

土地の便益に供するために

- 必要書類と税金・実費・報酬など-


地役権の設定登記をする場合次のものが必要となります。第一に権利証。これは承役地所有者の方にご用意頂きます。第二に印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)。これも承役地所有者の方が必要です。第三に実印。登記もそうですが、契約書に署名捺印するときも実印を使用したほうが無難と言えますので、これは要役地所有者・承役地所有者ともにご用意下さい。第四に本人確認資料(免許証など)。これも全員必要です。他にも必要な書類がありますが、司法書士が準備していくので特段気にしなくても良いと思います。

税金・実費・報酬については、web上では合計で4万円〜10万円と記載させて頂きました(詳しくはworksの地役権カードをご覧下さい)。税金(登録免許税)は、1500円になります(ただし、承役地が1個ずつ増えればそれに合わせて1500円・1500円と増加します)。実費は、登記事項証明書の取得・郵便費・交通費などが該当します。地役権の設定1つとっても内容やご事情により変わってきますので、あくまで目安としてお考え下さい。「権利証が無い」などがありますと別の業務が発生しますので、ご注意ください(worksの本人確認情報カードに該当いたします)。

地役権設定登記申請書

地役権設定登記申請書

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